製薬会社や健康食品会社、生命保険会社および医療機器メーカーなどではコールセンターを設置し、看護師が顧客からの質問に対応するところが増えてきており、自治体によっては電話による医療相談のサービスを提供しているところもあるようです。
これらのコールセンターではマニュアルに沿って返答すればよいわけではなく、医学の専門的な知識や看護師としての能力、瞬時の判断能力などが必要とされます。
相談の内容としては、薬の飲み合わせや副作用、健康食品の効果など知識だけを持っていればよいものもある一方で、「急に胸が痛くなってきたが、しばらく様子を見たほうがよいか、病院の救急外来にかかったほうがよいか」「この症状だと救急車を呼んだほうがよいか」というような、対応を間違えれば命につながるような場合もあります。
したがって、コールセンターは相当な医学的知識と看護の実体験が重要とされる仕事です。
電話をしてくる顧客は慌てふためいていることも多いので、まず相手を落ち着かせて、相手の状況を正確につかみ、的確にわかりやすく説明するというコミュニケーション能力が求められます。また、相手に直接触れることができないので、自分自身で血圧や体温、脈拍の測定などをしてもらわなければいけません。
明確な相談があるわけではなく、寂しいから単に話をしたくて電話をしてくる場合や、クレームをつけてくる場合もあり、そのようなケースで対応を間違えると企業側の不利益になる恐れがあるため、自分の感情を抑えて冷静に対応できる能力、的確な説明を瞬時にできる能力が重要とされています。
さらに、「あの電話ではこう対応すればよかったのではないか」などとくよくよ悩むのではなく、すぐに気持ちを切り替えることのできる前向きな性格も大切です。